「遷画~シルクロード」は、ついにミュージアムに常設展示されるようになりました。10月20日にオープンした「東洋文庫ミュージアム」では、いつでも遷画を体験し、絵はがきを作って持ち帰ることができます。以下、関連するページです。
東洋文庫ミュージアムでは、広々と落ち着いた空間の中に、国宝を含む貴重な書物や絵画などが展示されています。また遷画で利用しているのは主に「モリソン文庫」の貴重な書籍なのですが、このモリソン文庫を巨大な書棚で一望できる大空間も一つの目玉です。
デジタル化された本を遷画で楽しみつつ、書棚で時を重ねる本にも思いを馳せてみませんか?ぜひ
東洋文庫ミュージアムにもお越し下さい。
プロジェクト結のアカデミーキャンプ第一期に参加したみんな、キャンプは楽しかったかな。ぼくが君たちと会ったのは8月11日の遷画(せんが)~シルクロードワークショップの間だけだったけど、絵はがき作りに熱中する君たちの姿を見て、来てよかったなぁと思った。

ワークショップでは3人~4人のグループに分かれて、12枚の絵はがきを作ったね。タイトルもいろいろ。「古代の動物」「丸だらけ」「アカデミー遷画」「ニヤを集めた」「龍、竜、流」「そっくりさん大集合!」「さまーきゃんぷ」「色々」「動物シリーズ」「人間」「神様を囲った私たち」「トルファン」、それぞれ興味の違いが見えて面白かった。そうそう、ベストアイデア賞はそっくりさん大集合!かな。目の付け所がすばらしかった!

さて、ワークショップでは時間がなくなってしまって最後にお話できなかったんだけど、このワークショップの目的は絵はがきを作ることだけではなくて、絵はがき作りを通して伝えたかった言葉が2つあるんだ。遅くなってしまったけど、せっかくの機会なので、このブログにまとめておきたいと思う。
ぼくが伝えたかったのは、ちょっと難しい言葉かもしれないけど「多様性」と「独自性」という2つの言葉だ。

まず「多様性」だけど、これは世界にはいろいろな考え方があるし、そのことこそが重要だという意味だ。シルクロードの説明で「シルクロードを文化が伝わるうちに少しずつ変わっていった」という話をしたよね。ヨーロッパの天使とアジアの天女は、見かけがだいぶ違う。もしヨーロッパの天使が「正しい」と考えれば、アジアの天女は「間違い」になってしまう。でも、そうではないよね。両方とも、それぞれに美しく、異なる価値を持つものだ。
文化が伝わる様子は「伝言ゲームみたい」と誰かが言っていたけど、確かにそういう面もある。例えばヨーロッパの天使を誰かが見たとする。あれ好きだから、自分もまねしてみようかな、なんて思う。でも、その「まね」というのはそのままなぞることではない。自分の頭で天使がどういうものかを覚えて、それを後で自分で思い出しながらかくということだ。まさに伝言ゲームみたいだよね。それに、売り物として絵をかく人がいれば、「こうやった方が売れる」と工夫する(=勝手に変えてしまう)かもしれない。そうして、少しずつ元と違ったものができるけど、よいものにはどれも違った価値がある。そういう異なる価値を認めていこうというのが多様性の考え方だ。
今回のワークショップでも、それぞれのグループが異なる絵はがきを作ってくれた。みんなが使える画像は同じだったのに、できた絵はがきには一つとして同じものはなかったよね。また一つの画像に対しても、あるグループはそれを動物の画像と見たり、あるグループはそれを丸いものの画像と見たり、いろんな見方ができることがわかった。さすがに壁画の人物を「マツコ・デラックス」に見立てたのには驚いたけど、同じ絵でもいろんな見方ができるんだな、ということは感じてくれたと思う。
ただし、いろんな考え方があるんだなと感心するだけでは不十分。次は「独自性」だ。自分が作った絵はがきは他の絵はがきとどう違うんだろう、ということを考えて欲しい。そこに自分と他人との違いが見えてくる。もしかすると、他の絵はがきの方がよく見えるかもしれないね。そう、確かに絵はがきにも良し悪しはある。でも、これはテストみたいに、0点から100点という一つのものさしで良し悪しが決まるものではなくて、むしろたくさんのものさしがあると言った方がいいかもしれない。だから自分なりのものさしを見つけていってほしい。自分の絵はがきはこんなところが良いんだよ、とみんなの前でも言えるように。

君たちはまだ小学生。これから人生は広がっていく。そしてその人生において、君たちは特に、いろいろな意見を耳にすることが多くなると思う。異なる意見を聞くうちに、何が正しいのか、自分でもわからなくなることがあるかもしれない。そんなときには思い出そう。人々の考え方は一つではなくて多様なんだと。もちろん明らかに間違った意見は聞く必要はないけど、それぞれに正しそうな複数の意見があって、どちらが正しいか決められないことも世の中にはある。まずは、世の中にはいろんな考え方があるんだなぁ、と受け止めてみよう。
でもそれだけでは不十分。では自分ならどう考えるのか、という自分なりのものさしを持ってほしい。とはいえ、それはかなり難しいこと。大人だって、それができる人はそんなに多くはない。いろいろ勉強しなくちゃいけないことがたくさんあるからだ。大変だよね。誰かが「これが正しい意見だ」と言ってくれたら、どれだけ楽なことか。でも、そう言ってくれる人を待っていると、他人の意見に振り回されてしまうかもしれない。それはそれで困る。だから大変だけど、最後は自分で考えることが大事なんじゃないかと思う。もちろん君たちが自分で考えるための手助けは、ぼくたちもできるだけ続けていきたいと思っている(例えばココ)。
今回のキャンプで作った絵はがきは、みんなの「多様性」とあなたの「独自性」を示すもの。いつの日か遷画~シルクロードを見つけたとき、そういえばあの夏、御殿場でシルクロードの絵はがきを作ったな、と思い出してくれたらうれしい。
2011年5月25日、東洋文庫で「遷画~シルクロードワークショップ」を開催しました。
「遷画」は東洋文庫ミュージアムの常設展示として設置されることになりました。
そこで、10月のミュージアム会館に先駆けて、新しいミュージアムで「遷画」を体験してもらいました。
ご協力いただいたのは昭和小学校パソコンクラブのみなさんです。
「シルクロード」 って小学生にはあんまりなじみがないかな?と思いましたが、みんなきれいな物やかっこいい動物が大好き!こちらが思っていた以上の反応でした。

グループに分かれて、きれいな文様や動物たちを集めたはがき作り。それぞれ気に入った絵を選んで思い思いの作品をつくっています。選んでいるときの表情は真剣そのもの。

向き合っている鳥がかっこいい!とか、にらみ合っているみたいなところが好き!とか、これみんな昔の人が描いたの?とか、素朴な感想や疑問がたくさんでてきました。もちろん、みんな昔の人が描いたもの、昔の人がつくったものです。
それに、天使や飛天がきれい!とか、、とても日本の絵に似ているという感想も。奈良にはシルクロードの影響を受けたものがたくさんあるから、おもいだしたのかも。
当日は「遷画」の体験のほか、小学生のみなさんに東洋文庫の書庫の中や、新しいミュージアムを見学するツアーも設けました。
東洋文庫の書庫に小学生が入るのは初めてなんだそうです。みんな楽しんでくれたかな?
最後に、できあがった絵はがきをもって帰ってもらいました。

家でもたくさん画像を集めてあそんでくださいね!
「遷画~シルクロード」
「東洋文庫ミュージアム」
今回、遷画コーナーの中心に大きな地図を用意しました。
に収録されている地図を使用しています。
詳細な探検の記録を見てもらうとともに、選んだ画像の出土地を
より実感してもらえるのではないか、また場所ごとの画像(美術作品など)の印象を
つかむのに役立つのではないかと思い、設置しました。
時間に余裕がある子は自分の絵はがきの画像を切り取って、
地図上に貼り付けるということも体験してもらいました。
出土地を探してみよう!

この画像はどこで発見されたのかな?スタッフも一緒に探します。
他の場所と比べてみると、特徴がわかるかも。
こちらの参加者のふたりはかなりの長時間、熱心に貼り付け作業に取り組んでいました。
手作り感満載ですが、なかなかよい出来の旗?
場所によっては、画像枚数にも差があります。人気?それとも収録枚数の差?でしょうか。
地図を見ることで、出土地の特徴について感想をコメントしてくれたり、
ここってどんな場所など、興味を持って質問してくれるなど
地図を実際に見ることの効果の高さを感じました。
今回は、試験的な設置でしたが、今後歴史・美術史教育における地図の活用効果に
ついても色々と取り組んでいければと思っています。
続きを隠す<< 当日の様子についてレポートします。

今回、遷画を使って絵はがきを作って楽しんでもらう、
ということで、子どもたちに(大人も)体験してもらいました。
PCの台数が限られていることもあり、好きな画像を5枚選んでもらって
絵はがきを作ってもらうことに。
参加者は、お友達同士や親子連れ、兄弟姉妹、親戚同士などなど
いろんな方々、年齢も小さな3歳ぐらいの子からお父さんお母さん世代まで
幅広く、多彩な顔ぶれの皆様でした。
受付でこのような「シルクロード探検きろく」(兼アンケート)とシール、
筆記用具をお渡しします。
さあ、いざ探検!
絵はがきの印刷を待っている間、「シルクロード探検きろく」に記入してもらいます。
自分の選んだ画像の遺物や写真が、シルクロードのどこから出たものか
上の地図にシールを貼ってもらい、下の部分で画像を選んだ理由を書いてもらいます。
場所を意識してもらうことと、画像を選んだ理由を知ることで
今後の遷画の改善や、教育用ツールとしての可能性を検討したいと思ったからですが、
めんどくさいのではないかと不安も。
でもPC操作はまだ早いちいちゃな子はシールを貼るだけでも楽しそうでしたので一安心です。
それにしても「動物」人気は不動です。テーマ「顔」「飛天」「文様」などありますが。
私が案内したほとんどの子がまずは「動物」を見ていました。女の子やお母さんたちは
きれいな色の「文様」が人気。トルファン出土の彩色の画像は特に大人気でした。
男の子は動物の中でもドラゴンやフェニックスなどを探したい!という子が
意外に多くて面白かったです。(ドラゴンボールの影響?かと一瞬思いましたが古い?)
色の配色もモノクロとカラーを組み合わせたり、ハートの模様を見つけて
かわいいーとはしゃぐ子など、それぞれの個性やセンスのよさを感じます。
また、数人でひとつのPCを使ってもらう場合も多くありましたが、
年少の子が選ぶのを辛抱強くサポートしたり、仲良く譲り合って座りながら
画像を選んだりと、みんなある意味大人以上に礼儀正しく、感心する事も多々ありました。
二人でいっしょに画像選択。
二人のお兄ちゃんが待ってあげている感じがほほえましいです。
こちらは、サンプルの絵はがきを見ている子たち。参加しようか検討中?

こちらは土曜日のスタッフ
こちらは日曜日のスタッフ
参加してくださった皆様本当にありがとうございました。

スタッフにとっても、楽しみつつも学ばせてもらうよい経験となりました。
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