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0143 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 143 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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と記して居る。この牌が履:功臣等に與へられたことも証實であるからして、この記事はほゞ前相を得たものとい
ふべきである。

海青牌は本來軍情急務の使臣に帯はしめる爲に制定せられ、従つてその特權も大なるものであつたことは、上に
述べた所によつても知り得られる事であるが、果して然らば何故にこれを諸王功臣等に與へたのであるか。その本
來の目的の爲に用ゐようとするならば、これを中央地方各所管の官術に保管し、要に應じて支給すべき筈であるの
に、別に恩賜的に授與したことは、一見解し難いことであるやうである。然しながらこれは外ならぬ諸王功臣等に對
する優遇であつて、これらの人々に此の牌に附せられたところの特權を享有せしめようとしたのである。
性質如何に拘はらず、この牌を有するものが必ずしも常に軍情急速の使臣であつたのではない、後には一介の商賈
或は僧侣の如きで、もしくはこれを性質を同じくする所謂圓牌を携へ、その權利を行使して往來するものの
があつて、頻々として問題を惹起するに至つたことは、幽世大典站赤門に屢見するところである。

ホ 海青牌と圓牌との關係

元史兵志站赤の序に、
遡:軍務之急。 則又以金字圓符、鷄、信、銀字次之。
と見えて居る。ここに圓符というて居るのは、いふまでもなく圓牌とも稱せられるものである。箭内博士は元
史がこの序に金銀字圓符のみを言うて海青牌に言及しないのを難じ、「至元二十三年以來の圓牌のみを言ふは、例

元朝驛傳雜考