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0168 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 168 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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成吉思皇帝聖旨牌

 余は曾て「元の海青牌に就きて」といふ論文及び「元朝驛傳雜考①」と題する一書を著はし、その中に於て、今日に遺存する元代の海青牌に就いて論述した。此等の牌札に、(一)素(卒は)銀牌、(二)虎頭銅牌、(三)虎頭銀牌、(四)海青牌、(五)新圓牌(?)等の名で元代史料に記録せられて居るもの、若しくはかく稱せらるべきものである。その後更にこれを補補すべき遺存牌札のなは二三あることを知つたが、今茲に述べようとするのは、諸種の意味から、蒙古の遺存諸牌中、最も注意すべきものである。

 蒙古の遺存官牌制の條中に

 所謂金牌、第一等貴臣帶三兩虎相向、又其次銀牌、日天賜成吉思皇帝聖旨、當便宜行き事、其次
 素金牌、日天賜成吉思皇帝聖旨、女眞前問

と記されている。文中の「虎頭金牌」は「虎頭金牌」の音訛で、そうして此の訛に因りて「兩虎相向」の設を生じたのである。従つてかゝる圓様を附した牌が實際存在したのでは無く、たゞ牌の上部に虎頭を作り附けた牌が有つたものと外ならぬといふのが王國維氏の考で、その家雜備考証に於て論じた所である。素金牌は平金牌とも呼ばれたもので、牌上に虎頭の裝飾を有しない平金の牌札を稱する名であつたことは疑無い。従来學界に紹介せられて居

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