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0504 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 504 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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ともあったが、更にまた一方では軍部の新王イリアスとも絶えず干戦を續け、然もその間に、茲に彼は全くトランス・オキジアナの地を統一してしまふことになったのである。

ことが出来た。千三百六十九年には唯一人の敵手たるフサインをも攻め滅ぼして、

四六六

六 帖木兒の創業

自分は帖木兒が後年大事業を成就に至った地盤を固めた次第を語らうとしたのである。今フサインを亡ぼして軍はまだ其の戦場なるアム河の南方、ヒンドクシ山脈の北バルクの都に滞在して居る中に、マヴラ・ウン・ナールの地を呼んだ名で、侯といふ四月八日のことである。マヴラ・ウン・ナールによつてマヴラ・ウン・ナール侯の位に上ったのであった。正に千三百六十九年いふのは回教徒がトランス・オキジアナの地を汗と呼んだ名で、侯といふのはアミールといふ官業の翻訳の積りである。彼は終生決して王即ちカン語、蒙古語などで汗と傳へられ、『戦勝記』などにはぢなかった。尤も此の儀式の際に彼の名が見えて居る。サヒブは王といふ意味の波斯語でブ・キランといふ星號ちトロ語、蒙古語などで汗と傳へられ、即ち星の妾會の終始に出づる王といふ波斯語でイは「の」、キランは妾會 (Conjuction) のことで、即ち星の妾會の際終此に出づる名が見えて居る。サヒブは王といふ意味の波斯語である。波斯地方ではアフラハムでモーゼスでも、其の他ゾロアスター、クリスト、モハメットなどゝいふ偉い人は、皆彼の妾會の際にはアフラハムでモーゼスでも、其の他ゾロアスター、クリスト、モハメットなどゝいふ偉い人と信ぜられて居る。

かしこれは決して彼自身の世に出た名ではなく、彼はたゞアミールなる稱を用ゐる、またベク即ち首領と稱するに過ぎなかったのである。即ち帖木兒をもまた此の名によって誉んだものであるし