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0754 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 754 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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漢民族の同化力説に就いて

白鳥博士の恵簇は今更ながら學界の大なる損失であつて、眞に稀惋の極である。博士が後年生の心血を注いで育成せられた東洋文庫に於てこの追悼講演會の催されるに當つて、肯て博士の講誼に侍して主題に關する明快なる講義に點ぜられた常時を思ひ浮べながら、ここに聊か管見を述べて批正を仰ぐ機會を得たことは、自分にとつては、めてもの心やりである。

明治三十七年博士が東京帝國大學文科大學教授として初めて講義の中で、博士の持論として北方亞細亞史上の大勢を、古來ここに擦つた南北兩民族の爭闘に外ならぬと説き、「支那北部に擦れる民族の歴史」といふ講義に擦つた漢民族は屢々北方民族の勢力に破られ、その支配を受け、その結果として漢民族は保守主義となり、その文化は舊來のものを保存することを重んじ、新しき發展を遂げないで今日に至つた。蓋し北族に比して武力弱く然も文明を持つた漢族は、北族の勢力の下に推伏しながら保守主義を持して國民性を維持して居れば、新來の北族を同化することを得るのである。今の皇帝は滿洲族であるが、「國民が保守主義を有すれば國民性を維持してこそツングースである異族を漢族化することを得たのである」云々と述べられ、また「漢民族の長所は同じその民族性を忘れて漢語をあつてこの點に他に比倫を見ない。北狄が、たび長城を越えると忽ち土着民となり、

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