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0764 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 764 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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の文化の方向は、従来の漢文化を継承してこれを維持し保存することに向けられ、治下の漢族をこの方向に驅り
立てたことは、いふまでもない。従つて新工夫の下に新興文化を建設することよりも、先づ以て古典文化への
親炙保存崇釋の方向に進むべき一つであらうと思ふ。これが支那文化の特徴として保守の形を取る
に至らしめた大なる因由の一つであらうと思ふ。普通一般に認められるやうに、漢文化なるものは古来漢族によつて強く保守
かくの如く考へるならば、支那に入り来つて政権を握つた外族である支那人によつて普通に認められる事象
的に維持せられ来つた日まで、実は支那に入り来つて政権を握つた外族の活動として普通に認められる事象
のであると見るのが当然であるよりも、実は支那に入り来つて政権を握つた外族の活動として普通に認められる事象
も、また同様に実は漢族の力には非ずして、史上漢族の大発展期と認められる唐代の如きも、またその反
う。例へば元・清の如きは言ふに及ばず、史上漢族の大発展期と認められる唐代の如きも、またその反
対の唐代の内亂の如きも、かゝる史観の下に取扱はれるべきものが少くないであらうか。

以上故白鳥博士の漢族の保守性と同化力とについての講述の一節を追念し、これに因んで敢て管見を述べたの
は、実は現下の局面に於て、これが甚だ重要なる性質を有する次第問題であると考へるに由るのである。若し
にして幸に大過なきならば、漢族必ずしも特に保守性を堅持するものではないくして、古来東方諸民族の上
及ぼされた漢族、もしは漢文化の同化現象は、決して漢族の発揮と作用に依るのではなくして、
自からが招致したところに外ならぬといふ臆分に帰せねばならぬ

七三八