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0768 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 768 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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つて、庶民階級が目から働きかけて取め得た結果ではないのである。

庶民擡頭の黎明期

それは兎も角、この庶民階級の国家社會への進出は、實に史上における中世期と近世期とを分つべき顧著なる事象と認めて差支ない。しかし庶民飛躍の時代を現出したのではなく、ここに従来の国家社會の組織が忽ちにして一變して、庶民に限らず科挙の出身ではなく、また門閥貴重の観念が既に科挙の制度が建てられても、この後庶民でもその位置に上論官史の總べてが科挙の出身ではなく、また門閥貴重の観念が既に科挙の制度が建てられても、この後庶民でもその位置に上り得ることになったといふ譯でもない。ただ名門貴族でなければ国家社會の上に立つて地位を得ることができなかったのが、従ってここに過ぎないことは、極めて重要な意義を有すると共に、なほ單に国家社会の組織の變革の上における黎明の鐘の開かれたことを証べるに外ならない。しからばこの黎明の幕が搖き揚げられて、いよ〳〵はゆる近世期の光景の演出されたのは何時からのことと証むべきであらうか。

安史の亂と社會の變革

唐の玄宗の天寶の末以来八年間に亙る安史の大亂は例へば張り切った腸物に切開の刀をあてたものともいひ得られよう。凡そ病熱の爲に動かされてゐた傷きが忽然として熄んだと共に、ここに衰へた病體に負はされた瘡痍の爲

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