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0778 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 778 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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た。だから元代における諸種の法制の改定整備の加きも、これ等の漢人がこの統治精神に低觸せざる限において、在來の制度を變改したり、新たに制定したりしたのであつて、蒙古人自身は実はこれについて大して關心もなく、役目を果したものでもなかつたのである。

元代社會における漢民族

 社會の組織もまた勿論蒙古至上主義を旨としたもので、蒙古人が最上の階級にあり、その下に漢人と異つた文化を有する色目人の階級を認め、最下層に漢文化を有するいはゆる漢人南人との階層を極めて著しく、彼等の擡頭はすべての社會的方面において控制されなくなかつたのに反して、その漢人南人との鬱屈は極めて著しく、彼等の擡頭はすべての社會的方面において控制せられた。
 嘗て貴族制度の崩壊に依つて、平等に花ひらいた庶民階級よりも低下した地位に平等に局限せられることになつた元代において、從つて唐以來、庶民進出の門として開かれた科挙制度の如きも、これに伴ふ漢人南人色目人にはその官界進出を恐れたる爲に、幾度も嘗て暗礙せられながら、容易に實施せず、辛うじて實施せられると蒙古人や色目人たりたやうに、別にも行はれたやうに、回回學の官位にでもありつかうとするものは、身分姓名を許り、蒙古人たり色目人たることを裝うて纖に志を達するものも出現するものも出現する有稗であつた。漢・南人は蒙古人に嚴られても嚴り返すことは

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