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0783 羽田博士史学論文集 : vol.1
羽田博士史学論文集 : vol.1 / Page 783 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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保護も驍勇も受けずして行はれたに過ぎず、則底著しき發達を遂ぐべき境遇には置かれてゐなかつた。元代文學の
特長として、高雅なる詩文の隆昌する代りに、平民文學として厳曲の著しき發達を見たのも、かゝる情態に起因す
るものと考へねばならぬ

 蒙古族が固有文化を保持したる所以

るのであらうか。蒙古族が従来の例に似ず、漢文化に對する態度においてかゝる方針を採るに至つたのは如何なる事情によ
にして憤恚となり、延いて大成功から導かれた民族的自負傲慢の心が、最後まで彼等に抵抗した漢人商人
に對して憤恚となり、延いて大成功から導かれた民族的自負傲慢の心が、最後まで彼等に抵抗した漢人商人
かる事情は契丹・女眞族と漢族との關係においてもほゞ同様のことであるが、この場合に限るべきことではないが、か
しかるに両者の漢文化に對する関係は大に趣を異にするこの前来説くが如くあつて見れば、別に理由を抱求し
なければならぬ。思ふにこれを前来説くが如くあつて見れば、別に理由を抱求しなければならぬのは、契丹・女眞をはじめその他近傍の民族等
に比して甚だ広く、早くから諸方の優秀な文化と接觸してゐたとことである。契丹・女眞をはじめその他近傍の民族等
とては、凡そ高尚な文化といへば漢文化以外にはまつ無かつたといのであつて、従つて自からの文化を
高めるといふことは、たとへ武力では壓迫してもその壓迫した漢族の文化に近づき同化することより外には無かつ
たのである。

 しかるに蒙古族においては漢土を併有する以前に、既に西藏文化にも、ペルシャ文化にも、印度文化にも、更に

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