National Institute of Informatics - Digital Silk Road Project
Digital Archive of Toyo Bunko Rare Books

> > > >
Color New!IIIF Color HighRes Gray HighRes PDF   Japanese English
0515 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 515 (Grayscale High Resolution Image)

New!Citation Information

doi: 10.20676/00000267
Citation Format: Chicago | APA | Harvard | IEEE

OCR Text

比等言語諸國の文化は古來五ひに觸遇傳播して今日に至つたのであるが、その文化と直接關係せる言語がか、對比
せわれてあるのは、或る意味からいふと、相互の文化の比較研究の結果を示したものと見得る樣なこともある、
假に茶「なる語が此等語國に廣く行はれて、獨り西藏丈けには別の言葉のあるが如きはその一例である、よし
かゝる風に考へない迄も五國語對譯といふことが此の書の價値と見て然るべきであることは、必ずしも喰々を要しまい。
其の四藏語の發音を示して居ることも甚だ有益な点であるか目
分に能く解らないから取り立てゝは記すまい。

奉天の宮城内の一隅に滅多に日の光も仰がないで封じ込められた此の書物は、今日では如け隔てた日本の國に四
個の分身を止めることになつた。一は、文科大學に、二は内藤教授の許に、三と四とは満鐵の本社と調査部とにあ
る。此れからは幾つの分身が生じるかは解らない、自分は此の上更に數の殖えることを格別望みはしない、唯だ
折角明るみに出た此の書物から、學界の一隅を照らす光明を發せしむるのは、學者の責任であると共に、乾隆帝の
英靈に對する故善の供養であると思つて居る。

五 體 清 文 鑑

(藝文第四年第八號、大正三年七月十四日稿)

四五三