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0064 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 64 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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之を要するに、此の貨幣は西紀七九九、七七九年に互りて位に在りたる牟羽可汗の時代に鑄造せられたるものと
は認む可らずして、知りて其の質の上より考ふる時は、回鶻が天山地方に移りたる後、長き時日を経たる後のもの
と見ざる可らず。

以上所謂回鶻文字なるものが、回鶻人によりて用おらるゝに至りしは、其の漢北の根拠地を去り、高昌地方に
移りたる以後の事なるものが、然も此の論結は此の文字の製作が何れの時代に在りや、又其の製
作が何人によりて成されたるものなりやとの問題とは全く別個にして、混同すべきにあらず、単に回鶻文字の名稱
より之を考ふれば、此の文字を創製したるものは即ち回鶻人にして、従って其の創製せられたる時代は、回鶻人が初めて
此の文字を使用したる時、即ち前に述べたる所によれば、九世紀の後半以後のことなりと見ざるが如きも、然
も此の名稱は、要するに後世の命名にして、嘗て之が回鶻人に用おられたるものには非ず、余輩の見る所を以てすれば、此の文字は回鶻人に先立ちて
て回鶻人の製作に係はること無く、之を他の部族中の他の部族によりて用おられたるものなるが如し、之更に次章に於て詳論せんとする所なり。
既に同じトルク族中の他の部族によりて用おられたるものなるが如し、之更に次章に於て詳論せんとする所なり。

第三章 回鶻文字の製作と其の系統

第一部 ネストル教徒が彼等の用おるたるシリャ文字より製作せりとの説

回鶻文字は東方に来れるネストル教徒が彼等の用おるたるシリャ文字より製作せりとの説