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0074 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 74 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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第三節 突騎施(Türgiš)の文字

 回鶻文字がソグド文字を少しく變化したる形を以てトルコ族の間を行はるゝに至りし時代の何時なるかにつきては、從來諸說紛紜にして定めたるものあらず、されど吐魯番の發掘物が示す如く、八世紀の後半に突騎施に銅貨ありて、其の文字として使用せられたるものなり、又喀什噶爾に於て Radloff 氏の論ずる所を見るに、回鶻文字が何時成立したるかにつきては証據の存するものなし、されど吐魯番の發掘物が示す如く、八世紀の後半に突騎施に銅貨ありて、其の文字として回鶻文字に、購求せる貨幣に突騎施の銅貨ありて、即ち Čin Kāšch des Iltärgäčin Kāšīm 〔印行〕と記せるものあり、此の文字は明かに八世紀の初半に鑄造せられたるものになして、之亦當時トルキスタンの北方に於て、此の文字が公用文字として用ゐられたるを示せるものなりと記せり、吐魯番時代より發掘せられたるトルコ語の文書には余の知れる由據なれど、然
ば、此等の文書中には一般に認めらるゝ所にして、之を以て唐代六〇〇―九〇〇の Le Coq
氏の如きも一九〇八年、所謂回鶻文字にて記せる摩尼經斷片を解説するや、此等の人々の記むる貨幣によるも頗く、唐代殊に八世紀時代に於て既に此の文字の確かに用ゐられたるものなるべしと説けり、
 一九一一年 Uigurica に於て解説したる前記の突騎施可汗の貨幣は、實に前記の突騎施可汗の貨幣は、余も亦治四十五年初めて繙摂玉氏所藏のものを貸出し、其の

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