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0132 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 132 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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三 回鶻譯として現存せる三種の天地八陽神呪経

七〇

以上吐魯番附近の雅見聞より發見せられたる一卷について其の經名と性質とを論述せり、然れど此の經の今日
に、殘存するものは、只だ此の一卷のみに止まらず、他にも此の同一のもの歳せらるゝあり、卽ち明治三十六年
等しく大谷伯爵の命によりて新疆の探検に從事せし編實氏が、庫車より得來りたる斷卷一片及び、鳥粱木寨の露
國圖書クロトコフ氏が、吐魯番より得て彼從使に迄致せしものも卽ち之にして、前者は敷卷側の斷片なるしが、余は
辛ふじてクロトコフ氏の命により讀せる六十餘行を得、後者は三十四行(共同一綴卷の)を存して、ラドロフ氏が前記著
門品の末に附録として出版し、バラヂン、イヴァノフ兩氏も其の解釋を助けたりしが、たゞ此れが敷卷部に屬する性質
のものなる未を知らしめるに止まり、絵に何經なるかを定むる迄には至らざりしが、たゞ此れが敷卷部に屬する性質
の得たる、各々多少に含まるに止まりて、今初めて此の所々に存在せり、實に幸とする處は、此の三種の橘
經本には、各三卷に含まるものにして、悉く是非の相違の點に於ける異同あり、而して其の所々に存在せる偶然の
ものにみなず、思ふに漢文の間に於ける異同あり、而して其の所々に存在せり、此のこと書寫の間に注意すべき現象に
して、點少かず、從がつて此の經の翻譯が異同にもあるべきれども、また譯述者が各々考へにしたりと認め得べき
出土の地方が一、此吐魯番にして、一回に止まらざりしをも、此の經典の分布する點より考がふる時は、其だ重要なること
點少かず、從がつて此の經の翻譯が異同にもあるべきれども、また譯述者が各々考へものなりとす、而してまた其の
なるべし。從來得られたるものは、一は庫車なるとも、一は匹偕せしものゝ一少部分にすぎざる可きに、其の間匹に此の經がかく