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0219 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 219 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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は到底認め得られないものである。一方囘鶻文實義疏が論彼して居る所もあって、まさに安慧の輩説についての傳説通り
世親の論に對する愛慧の説を掲げ、更に之を安慧が論彼して居る所もあって、同様に供會論の輩説通り
の體裁を有して居り、従って紙數の如きも甚だ多いのであるが、この漢文の實義疏といふものは、甚だ簡單なもの
で、ここに述べた如く、到底供會論の要約なるものでさへないのである。かゝる譯であることは言ふまでもない
と題せられて居るにに拘らず、此等の漢囘兩疏の内容は、全然相合せざるものであることから、かゝる譯であることは言ふまでもない
の名と、「一不恨識ともいふ可きことは、此の漢文の實義疏の初めに記された題號、惣じて萬八千偈といふ數及び作者
唯一つの疏に接した拒らず、直ちにその後に接した帰敬頌、囘鶻文の基づいた漢譯本に見える所と全く同一文が存して居つたものと思は
卷首の寫眞及び下に譯出する所の實義疏、囘鶻文の基づいた漢譯本には、全く之と同一文が存して居つたものと思は
る。敦煌より出た漢文の實義疏といふものは、全く安慧の作とは認め難いのであるから、所詮安慧の實義疏の名と、卷首
兩者相教することについては、甚だ奇異に感ずるものであるが、かく卷首の部分だけが
歸敬の偈と、この供會論の抄の如きものに前付したに過ぎぬのであらう。

六 譯述の體裁

本書の譯述の仕方について考へて見ると、原本なる漢文の字句を、極めて忠實に譯出したものと考へられる。既
に原本に沿つた漢當の論據を掘滅に帰したと思はれる今日から、如何にしてかく論斷し得るかを疑ふ人もあらうが、之
については相當の論據を掘滅し得ると考へる。寫眞については認め得らるゝ通り、本書には所々に漢字を記し、その

囘鶻譯本安慧の供會論實義疏