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0221 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 221 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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本書の諸所に書かれた漢字、即ち前篇の如く漢譯の倶舎論や、安慧のその欄中から引いた漢字は、誰にも認めら
れる通り、原本中の緊要な文句でもなく、また抽出に一定の方針を以てしたものでもなく、時には一句が記され、
時には單に數箇、もしくは一語のみが記されて居ることもある。さうして特種の場合を除く外は、時には一様に此等の語
句は、直にその下に體裁は、獨り殘存の第一卷(001)に於て認められる、所であって、他の殘發は不思議にも體裁を
異にしている。即ち第四卷(003)に於ては、木頭や長行は譯出されず、唯釋の部分だけが譯出されて、その切れ目
に當る所に、「釋曰」の漢字が記されて居るものである。この二字が記されて居るものであるが、内容は近に相異り、一句節
を釋して、更に次の句節に移る所に、「今此以後説相應義」の漢文を首に記した三篇にしても、もし正確に誤らないとすれば、少
くとも此の一篇は、チュケル・ティムェルといふ人の抜萃したものがあって、自分の譯にしても、一部分の外
は一致しない。第一篇の末には第九項に譯出した識語があって、何から抜萃したものであるか、まだその出
所を檢し得ない一篇であるが、かく同樣に「今此以後説相應義」と題して、ある佛典中の相應の義を説いた所を引いて來て譯出し、こ
れと見る事は困難であらう。多分此等の三篇は、漢譯倶舎第四卷に存する相應の義に關する釋の性質を有する
に書き加へたものであらう。然も之が前述の如く、同一實義疏の原本より
ものであることは、ほゞ疑無いであらう。第三篇の終には、「觀音經」nïtur nïng(諸②)相應是」なりと見えて
居る。

一五九