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0222 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 222 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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Ch. XIX, 001は、唯一枚の裏面だけであって、其の譯述の體裁を知る材料としては不充分なるを免れぬが、多
分(002)と同一種のものであったらうと思ふ。下に譯載する如く、倶舍論の譯では無くして、倶舍論の說く梵編に
對する譯として、摠覽阿含經(?)に說く四梵之編を用し來ったものである。

七 譯文の特徴

茲に更に注意して置かなければならぬことは、本書に用ゐた譯文としての文體である。冒ふまでもなく囘鶻語と
いふものは、所謂ウラル・アルタイ語系に屬するものであって、本書の文體に於ては、主語を始め、之に伴ふ
諸語詞の位置は、略ぼ我が國語と同樣といふする差ない。然るに本書の次の文體を見ると、此の措辭法は全く轉倒し
て、例へば主語なる名詞の次に、直接に本語なる動詞が來て、目的語が其の次に指かれる如き奇觀を呈して居る。こ
れは今も普通の語系に屬する國語の措辭法と稱す可らさるものであり、決して普通の國語の體裁と稱す可らさるものである。然らば何故に
かかる奇觀を呈するに至ったか考へ見ると、これは全く原文なる漢文の文體に、忠實に從って翻譯したものとし
て見るより外ならぬ。言換へば此の翻譯は、漢文の一語一語に勢を及ぼす程度まで其の個々の語序を於て、囘鶻語に譯出し
たが爲ぎないものである。かゝる現象は、漢文が附近の諸國に勢を及ぼす程度まで其の個々の語序を際々認めらるゝ事で、我が國でも
一に過ぎないものである。かゝる現象は、漢文が附近の諸國に勢を及ぼす程度まで其の個々の語序を際々認めらるゝ事で、我が國でも
一種の文體に於ては、國語の本來の語序を變じて、漢文のそれに從って居ることは、今更いふまでもない事であるが、
が、この翻譯に用ゐられた體裁は、かゝる場合よりも遙に進んで、原文の措辭法に追隨したものであるといはなけ
ればならぬ。下に掲げる譯述について見ても、此の現象は一見して明かに觀取せらるゝ所である。

一八〇