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0322 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 322 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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三六〇

すべて見るに、諸悪といふ名は 38・38・39 及び 40 行等に大大諸悪之大戒、以大諸悪として見え、諸悪魔の事に
違たく、返逆於天眷の義と見はれるから、十誡の第一に属ずるものと考へられる。かく見れば九顧中の六顧までは
神に對する反逆なるものを説いたもので、十戒以外のものは第四・第九・第十の三顧である。第四顧は甚だ乃凡で聖書の十誡を遠から
誠中に見ゆるものであり、十戒以外のものは第四・第九・第十の三顧である。第四顧は甚だ乃凡で聖書の十誡を遠から
取り出したものと定めるまでの事でも無からうが、第九・第十顧はここに讀んだ所が正しければ、旧約聖書の文中に現
所に讀く出埃及記二八の「法路節々」に臨ずるものであらう。たゞ第九顧は此の大部分は十誡と連続した文中に現
難いし、神の誡の簡條と相合するものと思はれる。そうして十誡といふものは十誡、もしくは十誡と連続した文中に現
を、神の誡を以て十誡といふものに外ならぬと見て、多分誤らないであらうと思ふ。初めに十誡分記せるのも、ここにいふ十誡を遡ると、たものに今日の體裁に成るまでに、前述の如き径路
ふ。偶像の彫造・崇拝の禁誡や、かく見ればよく当ることになる。たゞかく見れば十誡中でも重要の簡條と見ら
る。偶像の彫造・崇拝の禁誡や、安息日を守るべき誡などとの調和の上から特に選ばれたのか、或は此の中の一
甚だ怪しむべき大節であるが、思ふにこれは前述の佛教などの調和の上から特に選ばれたのか、或は此の中の一
は、ここに書き落された九顧として記されたのでは無からうか。

此の十顧に續く文句、即ち92行の「天眷井處分事極多、見聞奥敗、以下十數行に亙る間には讀解し難い所も多く
ないが、大體に於てまた出埃及記中、十誡に讀く所に其の根據を求め得られる。