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0324 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 324 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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に據つたものと思はれる。此の名は一神論には「脅數」、摩尼經典には謂はゆ
移員(121)124)の二字はイエスを寫したものであるが、シリヤ語ソグド語の ʼyšwʻ、パーラ米語の ʼyšʻ
る渡斯經殘經にも下。ʼyšwʻ の二字は共に「夷數」で寫されてゐるが、シリヤ語ソグド語の mšiḥa、パーラ米語の mšiḥ
などに對應するものである。
送師詞(124)mšiḥʻ の三字はいうまでもなくメシャに當り、シリヤ語ソグド語に記してゐるが、此の殘經にも從初の
等に對應する形である。最教碑や一神論と景蒙度讚には彌施訶、一神論には彌師詞で
2行を始め、127行以下には普・神論と同じく彌師詞で寫してゐる。或時には彌師詞、また成時には同じく彌師詞で寫し、一定の文字を用ひないことは、其が奇異に感じられるかも知れない
が、要するに之は兩音の同一、もしくは相近かつた為に生じたことで、今音は勿論兩者同じであるが、中古音は
彌は廣韻に武移切、集韻に疏疏切と見えて居つて甚だ相近い。もしくは相近かつた人の言いたい。
ゐる。それで元来漢字の使用に疏疏切と見えたこともなく見得られよう。
に、同音たる理由によりて生じたことともに見得られよう。
かく考へ定めた後に、こゝに此の殘卷の經題について次究するのを促例とする。
師所經と起さるゝものであるが、ここに此の殘詩所の三字の中、「送」と「彌」とはかく此の經中に於て同一音を
れてゐるのであるが、次の「詩」は國音に於ても師と同一音であり、師を唐韻に疏疏反、集韻には疏疏切とし、師を唐韻には中之切の音を
與へてゐるが、唐韻には詩を切、集韻には中之切とし、師韻には師と同一音で、師を唐韻には疏疏反、集韻には雷夷切、集韻には中之切として居る

三六二