National Institute of Informatics - Digital Silk Road Project
Digital Archive of Toyo Bunko Rare Books

> > > >
Color New!IIIF Color HighRes Gray HighRes PDF   Japanese English
0370 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 370 (Color Image)

New!Citation Information

doi: 10.20676/00000267
Citation Format: Chicago | APA | Harvard | IEEE

OCR Text

ル・コック氏著摩尼敎遺文 巻三

(Türkische Manichaica aus Chotscho,
III von Prof. A. von Le Coq)

三〇八

去年の夏伯林で色々世話になった。牛は過ぎの夏伯林で色々世話になった。自分獨りの事なのにル・コック氏から復活祭日の日附で贈られた題記の書物を受取ったのは、先月牛は過ぎの頃であった。自分獨りの事なのにブリンツ・アルブレヒト街のムゼウム・フュール・フェルクンデに初めて氏に面會した頃の記憶が、今はなつかしい追想の緒となって現はれる。その歳の六月初の伯林は毎日夜霧のやうな雨に明け暮れして、冬の外套をふても未だ寒く、ボッダムを訪ふた一日には、綿の様になる氣分を無理に引立て、一度此の博物館に氏を訪ふたことがあった。二度とも氏は病氣で館名を掲げた入口を入ると、直ぐ見附に大佛が眞中に据ゑてあるのが眼に立つ。次に金字で館名を掲げた入口を入ると、
Kotokid という文字の黒く塗りかくされた大佛が眞中に据ゑてあるのが眼に立つ。次に金字で館名を掲げた入口を入ると、
こすくんだことにすらあった。自から引っ込み勝ちになる氣分を無理に引立て、一度此の博物館に氏を訪ふたことがあった。二度とも氏は病氣で館名を掲げた入口を入ると、
で、シーグリング氏や、ミュラー氏と語って帰った。癖氣は此の頃から急に熱くなって、下着の汗ばんで苦しいのを、初めて逢ふたのが七月の二日である。果たして面會の日を約したいとの書面を受取って、博物館三階の氏の部屋で、かれこれ一時間も語り合った後、當時閉ざされてあった中亞蒐集品の陳列室を、自身で案内して呉れられた。此の日多くの資料も見多くの話も聞いた中で、最も面白く感じた事は、嘗て羅振玉氏が