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0397 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 397 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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には前に述べたやうに、初級の母音は a と記されてあるか、第二級の母音は省省されてあるから、それが u である
か i であるかは定め難い。

第二の solni のトルコ文書で匹に登録されたものについては、sulini といふ名については、自分の知る限り従来学者の間に問題として取扱はれてゐな
い。但し新疆出土のトルコ文書に誤読されたが為に、逐一検討の機會を失つたのである。一つには、明らかに此の名が記されてあるのであるが、不
幸にして普魯西學士院の報告中に Toγri und Küšän (Küšān) と題する論文を發表し、その第一節に於ける三箇のトルコ
語佛典の奥書を讀んだ通り sulnida (solnida) といふ語が記され
てある。氏はこれを讀んでその儘一個の地名と考へ、Calmadama-Cerken といふ語
べきであらうかと疑問を殘した。その交の斷簡はこの語で終つて次の紙面に移り、そして次の紙面は
しないのであるから、氏がかく解釋したのも無理からぬことではあるが、今日に示した交書をかく解
といふ名が現はれて居る以上は、sulnida、solnida の da は接尾語に外ならぬことを疑ふべくもない。Müller 氏
の解説した交書について考へて見ても、その前には anakäki, anada, küsan (küsän) dlusa 即ち「国民 G
國に於て……」「そこに(前度)に於て」「クイサン(キ・セン)の國に於て」の如く、特等場名に第三格の語尾が附
せられてあり、ついでそれと全く同格に立つべき語が sulnida (solnida) と記されて居るのであるから、この語
尾の da は地名の一部分では無くして、第三格を示す接尾語と認むべきである。ただ印度やクイサン(キ・セン)は
「國」といふ語を伴ひ、それに第三格の接尾語 -da、-da を附してあるに對して、sulni (solni) には直接 -da を

同朝文摩尼教徒新疆文の斷簡
三三五