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0452 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 452 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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認め得べきに非ず、⑸両者の所為に關して記さるゝ所は、只だ聖教を宣傳せし一事の外は相合する所なし、而して
ば此の點に就ても、一は乙を唐に傳へたなる能はず、只だ略ぼ同時代、同一國より、類似の漢字を以て哀はされた二
れの入唐せし二人者の間一は到底之を認むる能はず、他は重に蕃夷の語國に傳へて其の聲寫を得たるが如し、さ
人の入唐なし事實を知り得るに止むるのみ。
 に、阿羅憾なる文字によりて寫された顔名の何なりしかは、今明らかに知るべきなし、唐代音譯の例に就きて考ふ
るに、阿羅漢の三字は、顔會正顔虛圧記し、或は廣韻、集韻、正顔並胡紺切、施く人の知る所なり、漢の音は唐韻に呼圧切
と見え、又、阿羅虛圧の三字も亦會正顔虛圧記し、兩者略ぼ同一の音なり、而して此の語を寫したるものが、彼は阿廬漢、
一は lian にして、兩者略略ぼ同一の音なり、而して此の語を寫したるものが、彼は阿廬漢、正顔並胡紺切と見ゆれば(字典二)一は lian
 ふれば阿羅憾の三字を奉ぜし人の名としては解す可らず、或はこれを寫したるものかも思はるれど、此の如きは當時の波斯人、殊に余量の考ふ
が如き建設も、然も漢字譯音の法則は必ずしも、定せるに非ず、彼の景教碑の如くなるずして、知りて次の b 音を省きたるも
音を省くことと蒲羅呼(=rabiuthin…Hirth, Chau Jukua, p. 143)の如くなるずして、知りて次の b 音を省きたるも
のなれども、此の如き宗教を奉ぜし人の名としては解す可らず、或はこれを寫したるものかも思はるれど、此の如きは當時の波斯人、殊に余量の考ふ
 封府に建設せられた猶太教の碑文中の阿無羅漢及び羅漢等が等しく Abraham を寫したりと思はるゝに考がふ
ば、此の如き宗教的人物の名を漢字を以て哀はすに當り、特に佛教徒の間に重んぜらるゝ阿羅漢に似たる阿羅憾の
三字を用ゐたりと見るも、必ずしも不當には非るべきか。

三九〇

二 景充繡絲國諸署招慰大使、并於拂林西堺立碑、裝裒宿在。