National Institute of Informatics - Digital Silk Road Project
Digital Archive of Toyo Bunko Rare Books

> > > >
Color New!IIIF Color HighRes Gray HighRes PDF   Japanese English
0535 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 535 (Color Image)

New!Citation Information

doi: 10.20676/00000267
Citation Format: Chicago | APA | Harvard | IEEE

OCR Text

北方民族の間に於ける巫に就いて



トルコ・ツングース、蒙古族などの間には今も巫即ち我が國でいふ「みこ」「かむなぎ」「いちこ」などに相當するものがあつて他人の爲に吉凶を豫言したり、病氣を癒したり、死人を呼び出すなど種々奇怪なことを行つて、彼等の社會の信仰を博して居る。此の積極の信仰は、所謂薩滿教(Shamanism)と稱するものであつて、必ずしも北方民族の間に限られたものではない、俊野博士の説かれた如く現今支那の諸地方にも存在することであり、朝鮮にも日本にも禁止せられながらは其の面影を残し、アメリカインデアンの間にもやはり存在して居るとのことである。思ふに古代の社會には何れの國でもかくの如く巫の信仰は行はれたもので、その形式に於て多少の相違こそあれ、人智發達の階段の中では、必らず經過すべき一時期であつたに違ない。各國の言語には大概巫に相當する言葉が存して居るが、これは即ち各國に巫のあつたことを證明するものに外ならぬであらう。こゝには現今の北方民族の間に於る巫もしくは薩滿教のことを概括して述べやうとするものではない、たゞその名稱について少し研究を試み、それに關聯して遠く昔から彼等の間には巫のあつたこと、巫がその國家社會の上に持つた役目などについて略述して見ようと思ふ。

北方民族の間に於ける巫に就いて

四七三