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0581 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 581 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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に當つて、一方に邪を巨反と見て kilian と讀み、他方に土夷反と見て silian と讀むことは、前後矛盾し撞着せ
る語を免れまいが、思ふに、一方は先きに引いた注文に見える卑語の關係などから ks の音を選び、他方は在來の
讀み習はしとか、師古の用ゐ顧れた所とかいふやうな理由によつて、前にも引いた警戒の二現象によつて、si
と s との兩音を寫すのと同じ理由に基いて生ずる輪誤の「現象」によつて、師古はかく二度まで何奴では天を郡連と謂ふことを注示して居る
同一國名を寫すのと同じ理由に外ならぬ。さて顔師古はかく二度まで何奴では天を郡連と謂ふことを注示して居る
のはないやうである。しかし當時何等此の説明の長據になる材料があつたであらうし従つてまた微かな説明であ
るべきことは、之を他の國語により説明すべきである(へせても、認察すべきことであると思ふ。然らば天を
郡連といふのは如何なる國語によつて説明すべきであるか。白鳥博士は既に此の問題の解釋に當せられ、初め
は之をトルコ語音の義⑩より轉じて天の義となれるもの、語で雪の義であるkilim と考へ、更に⑩は師古の説必し
も依據するに足りないという立場から、同じトルコ語で天をいふ kürin と考へ、次は師古の説必し
と考擁せられた。目分は今この上に意見を加へて、徒に蛇足を添へ、やうとは思はない、もし自分が郡連を以て純粋
の何奴語と考へ、今日の北方語中にその縁故を求むる方針に出るならば、やうとは思はない、もし自分が郡連を以て純粋
かつたらうと思ふ。ただ、⑩の韻中に何等の縁故を有する「語」に對して、kilim の「⑩」を認めることが来して適當ではあるかど
うかは、倫詮索すべき餘地がありはしないかと思ふのみである。然らば解釋の方針を別にして如何之を考へるか
といへば、自分は之を以て蕨地かありはしないかと思ふのみである。然らば解釋の方針を別にして如何之を考へるか

天 と 蕨 と 郡連 と

五一九