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0584 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 584 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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五三二

ら、これによりてもとの形を考へれば、 kiilien とか、 kiilien とか、もしくは kiilien を寫したものと思はれる。
從つて之を那連の寫した所と同一と考へて然るべきであらう。
 偶の理由がある、自分は何奴に限らず、北方諸民族の言語に於て、或る種のものは漢語其の他の外國語より導き入
れたもので、従来知られて居る以上に多く存するものと考へるもので、例を僅少の匈奴語中に求めても、居次は漢語公
主の轉訛と認められ、近くは白鳥博士に著名な義某子といふ語も、漢語天の義なる某子といふ語も、漢語に外ならぬと解するのは、かる方針の下に考へ得た結果に外ならぬ。
 漢語天の轉訛と解釋するには、また更に別の説明を興へるかと思ふ、それ
は此等の二字で示した切音を考へると、それが即ち、kièn、kilien 一體古くは同音の字を用ゐて、所謂假借によりて取る文字の音
を示してゐるのを、新に切音を用ゐて示すことになつたのは、古くからの説明である。而して此の法の根原を字母の排
ふ語を寫さうとしたものであると見ることである。一體古くは後漢末から親魏の時代にかけて起つたことで、孫叔然
の隋唐の音義に服するといふのが、匈氏家調音義篇をはじめ、通りであるが、別に鎌大昕などの唱へた如く、所謂双聲疊
韻等と共に、西域の聲音に關する説も、能く知らるる、今此等の説の是非に〔き云爲すべきではないが、しかし元来一字