National Institute of Informatics - Digital Silk Road Project
Digital Archive of Toyo Bunko Rare Books

> > > >
Color New!IIIF Color HighRes Gray HighRes PDF   Japanese English
0612 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 612 (Color Image)

New!Citation Information

doi: 10.20676/00000267
Citation Format: Chicago | APA | Harvard | IEEE

OCR Text

五五〇

七、第十七行第四語「lilily」で第二の母音「i」は出て居ない、勿論兩子音の間には此の母音の省略
説明を要する程のものでない。

してあることは閑らかであるが、もしかくの如くトランスクリプション
するならば他の語の母音を省略するものも多々あるのを補って置かねばならぬ筈である、トランスクリプ
は其だ注意すべきものと思ふから特に茲に一例を挙げたのである。

八、第十八行第五語「kork, ḳrk, ḳrk」を「現ハレ」と譯して「一切語色現」レ」としてあるが宜しくない、これは kork
「現」とあるから「現ハレ」といふ動詞の複數でまさに漢譯の「一切語色現」に相當するのである、漢譯に「一切色相皆於中
ḳrk」即ち「塞」な名詞の複數でまさに漢譯の「一切語色現」レ」と譯して「一切語色現」レ」としてあるが宜しくない、これは kork
現」とあるから「現ハレ」といふ動詞に見られたのであらうが、何としても此の語が動詞に見られる理由はな
い。

九、第十九第二十の兩行に亙る一句に注して「此句は支那譯に缺く、光中來生の色相を菩薩の觀察をなすの義なり」
としてあるが、實は漢譯にも出て居るのである、前節のべたやうに譯者は此の語の膠轢の紀れることを見て「現ハレ」
と解したから、第十六行—第十八行で一句と見たのであらうけれども、比の語の膠轢の紀れることを見て「現ハレ」
から、第十六行—第二十六行—第二十行で一句であって、能く漢譯の意と合して居る、序に記して第十九行の第
二語は果して「ḳrga」と讀まれてあるであらうか、寫眞によっては解らないけれど大抵の場合には、lurua と記
してある字と思ふ、又その第四語を ḳrk と寫してあるのも果してその通りであるが、二十二頁の右版によっ
て見ると終りの字は n でなくて、n の様に思はれる、しかしこれも寫眞では判然しないからたの頁にとゞめて