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0614 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 614 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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五五二

十四、第四十六行第一語 bulo は「ナル」の誤りである。

十五、第四十八行第三語 bolog は「ナル」と譯してあるが自分にはその理由が解らない、特に「ナル」といふ意
味のかゝる言葉があるのか、それとも bolmag といふ言葉の變化と見られたものか、或はまたコンテキストの上
からの譯せられたものかとも思ふ、しかし此語は「角」もしくは「隅」といふ意味で方角を示す場合には屡々用ゐ
られるものである。それで「十の角の方」即ち十方の意味になるのである。

十六、第五十行末語 Boro を一語にして「惑く鋪護し」と譯し「畜ふ」と注してあるが、元来「惑クフ」
の意は此の語ではなくて öktüm といふ一語に存しないものと思ふ。

以上書き上げた諸點は只今迄に思ひうかんだことであって譯者と意見を異にする處である、もとより初學の余の
ことであるから必ずしも自分の考えが正しいとは思つて居ない、向ほ穿鑿すれば此の上にも疑問を生
ずるかも知れないとも思ふ、とにかく考へのまゝを録したのである。

ここで斷つてねばならぬことは、かくの如く自分の考えのべたからとして、決して此の翻譯をせられた方の功
を没する積りでないといふことである、かゝる交書の解釋の困難なことは初めにのべた通りである、その困難
に堪へて研究した結果を世に公やけにする時には、一人でも多く、そうして少しでもふかく讀むものが研究
るならばとは、誰しも希望に堪へないことと思ふ、余は譯者の努力の深甚なるに敬意を捧げて、一語もらさず研究