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0621 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 621 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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中央亜細亜史の研究者にとって最も重要な参考書の一つとして、ブレットシュナイダーの中世研究(Bretschneider, Mediaeval Researches from Eastern Asiatic Sources)一部二冊を挙げねばならぬことは、五十年前も今も変りはない。この書は元代を中心にしてその前後に及ぶ蒙古・中央亜細亜の地理や歴史を、支那の記録によって放究し、それを授けるに回教史家の記述や、十九世紀の後半から急に進展した露西亜の東洋学者の研究の結果を以てしたもので、これが有名なニールのカセイやマルコ・ポーロの旅行記記の注釈以外に獨自の立場を持つ所以で、この點からの斯學の研究者にとって、重要缺くべからざる入門書と認められて居る。本書は一八七八年トリューブサーの古本が叢書の一篇として發行せられたものであるが、その後繙覧書と到底當時の書店の目録にたまにその古本が載って居ることがあると、少くとも百何十圓かを値したもので、西洋の書店の乏営な目録に入り、た。自分が初めて此の書を讀んだ頃即ち十九年頃には、東京に於ては余の知る所、帝國大學・學習院・高等師範・學校及び上野の帝國圖書館の四個所にこれが藏せられて居った。ところで大學本は某教授の借出し中で、學生は見ることが出来ず、高等師範や學習院のものを見せて貰ふ譯にも行かず、仕方なしに圖書館本を敵人して、ふ有樣で、遠い雪の朝も、優先権を得ようとして上野の杜に急ぐ途中、下駄の鼻緒を切って跣足で走ったことなどあっ

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中亜史研究資料の探訪