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0668 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 668 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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頌瑣な考證の學風などは君の脈つたところで、細かい年代の事や、地名の論定などは、いつでも君の傾倒の對象に立たされたものである。特に英國の學風に私淑した薄ではなかつたが、どちらかといへばそれに近い傾向を帶びるたのは、留學地や語學の關係にも由ることではあるが、未來の傾向が然らしめたものといふべきであらう。聰明に早呑み込證の地固めを膿ふた結果として、時に見常違に陷つたことは覩い難いことではあるが、それは大醫の偶然の誤謬と同一で、洁券に關ふ蓋しでるものではないのである。

A君は君の人となりを評して藝術家の一語に盡きるといふ、なほ盡し得ぬ點があるやうに思はれてならぬ。それは兎も角、學界からも社會からも知り過ぎて居る目分には、なほく多くの期待をかけられた君が、思ひもかけず卒然として世を辭したのは、今にし更に況んや家庭からも、なほく多くの期待をかけられた君が、思ひもかけず卒然として世を辭したのは、今にしてなは論め難き著待事である。

〔羽田先生追憶録、昭和十四年十月〕