National Institute of Informatics - Digital Silk Road Project
Digital Archive of Toyo Bunko Rare Books

> > > >
Color New!IIIF Color HighRes Gray HighRes PDF   Japanese English
0709 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 709 (Color Image)

New!Citation Information

doi: 10.20676/00000267
Citation Format: Chicago | APA | Harvard | IEEE

OCR Text

地に於ける諸語の研究に費して、下旬にはモスコウに参り、そこの図書館博物館などをあさり候上、参分(且つの
事情も変化せざる限り)来初には漢籍關の途に上り可申之、存居り候につき、左様御承知置被下度候
常地まで来られし日本人語者は、本月初以来足まりたる形勢に候へども、此頃の西比利亜鐵道では、何処も危なければ海上の交通も絶え、到底引き返す
より外致方なきことは、小田原詮定を聞き居られたる人々のみに候へば其際の厄介を憂ひていたゞき、空
れ候やら解ったものに無之、諮詢には通ぜられたる人々のみに候へば其際の厄介を憂ひていたゞき、空
しくぼやら彼の部屋に候、唯今かゝる人達が十五六人も有之、当地に
てはかる多数の邦人の逗留し候ことに候よし承り申し候、中に石橋子賀両代議士初め二三の人
は、次の列車に、政府の保護を頼むより出發致し候よし、たゞし此の際保護と稱してもとれ夫の功果はいかゞ候や
ら、列車の切れる所にては機會を待ちて驀京せよりも外致方可無之候よ、或は小磯博士の頃御同致し候様のことに
の間此處に下宿して、行先を珍しく決心せられ候よ、一蝶とか申し候諸家も有之候よしにて、慶々一同の憂
も司此處から居り候など、何とも珍妙千萬の景象もたかりし候。
昨晴らしを致し、西には帰り得す、東日本千萬の勇氣もたかりし候。
立てられて、ヌルエンブルグに押し込めの身の上に相成り候よし、獨逸人等數十名は、委托露西亜の露兵の肩に引き
帰り行くべき處に、それにしても、此の際まだ一日本人の仕合せを喜ばざるを得
ざる次第に候と、独逸在留の同胞諸君が邂逅は如何ならんなど、よるとはるとこんな話にて日を消

六四五