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0732 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 732 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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持たないと言はれる。そこにSが出て来て頻に湯加減を賞美する。自分も急に入りたくなって代り合って浴びるこ
とにする「好い氣持になって上って来ると、Tが頻りに須彌山の話をして居る。どうしたみで狭い部屋に閉ち籠って
居るのかすっかり分らないが、當人は極めて愉快さうだ。巴里まで来て、宿屋に泊り込んで、狭い部屋に閉ち籠して
て、ビールを飲んで正月の晩を、普讀んだ須彌山談に過すなど一寸妙な氣だがFさんもそれもらしい顔をし
て、相變らずビールや蜜柑を相の手にして聞いて居る處を見ると自分が風呂に入って居る間に、話は慥めて自然に
行かうまで出かけて、變な様子を見る氣に思ひ出したが、湯上りのボーッとした氣分には、これからまた
大便館まで出かけてゐないかとSが急に思ひ出したやうに言ひ出したが、ウーンといひながら腹かけて居る間は、折角着換へた
のだから行って来給へとFさんにも勸められたのだが、もう行く氣は毛頭無かった。招待の整理があるでもなく、行つ
て居る。この夜會でしばうじゃないかと言ひ出すと、元氣行かねばならぬ程の整理があるでもなく、行つ
ても格別面白くもないと永知して居るSの事だから、淡くあきらめて尻に入る肩に燕尾服を着て来たことに終って
の話に間際が出来るやうに成ったのは十一時頃であった。結局只の風呂に入る肩に燕尾服を着て来たことに終って
しまった。