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0740 羽田博士史学論文集 : vol.2
羽田博士史学論文集 : vol.2 / Page 740 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000267
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により て知り得たるが如ければ、兵の報告の愈怪しと思はるゝなり。かくて塔の見物はしたれど、その頂上
を究めて貴重なる題墨を検し得ざりしは、大国の崇りとはいへ、史料探訪旅行に於ける大失敗なり。無精は す
べからざることとなり。

書き抜きを捜しながら

ずっと以前に作っておいた一寸した書き抜きが、どこを捜しても見つからぬあげく、この中にでも紛れ込んでゐ
てくれないかと、一縷の望をかけて引っぱり出したのが気味の悪けだらけの交筐である。一番上に、幾つかに折りかへした
薄黒い紙片が裏を見せてゐるのが、半分粉を固切って気味の悪い色に汚されてゐる。あっ、また鼠の居龍な所薬で
ある。手で飼るのも薄気味悪いので、ピンセットでつまんでカンと照りつけるベランダの日光に曝して置いてち
と眺め入る。開けて見るまでもなく、思出の深坂を出た船が翌朝マラッカに寄港すると、午日こゝに停留すると
大正九年渡歴の途末、二月十六日の夕方に新嘉坡を出た船が翌朝マラッカに寄港すると、午日こゝに停留すると
ふれ出され たので、同船の二三子と一緒に上陸して見物することにした。孫徐案内配も見ない不用意の見物であって
定まることで、多分上陸の時間はあるまいと事務長から聞いてゐたので、

〔東洋史研究部四巻第四・五號、昭和十四年六月〕

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