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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0249 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 249 ページ(白黒高解像度画像)

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doi: 10.20676/00000279
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OCR読み取り結果

西山西の各省にては沿途民設の駝厩あって宿泊に便す。
駝運は時と處とを擇ばす夜行するものとす。毎日夕刻發程し翌早朝宿泊地に
到着すれば之を草と野に放って休養するを常とせり。若し晝行せば夜間は他食と
監視に便ならざれば也。

駱駝の性質は極めにして物に驚かす之を御することも容易なり。故に一人
能く六七頭を制すを得。其の法小木片を以て駱駝の鼻端に管し鹿繩を附して
數く魚貫し駝夫は先頭の一頭の裝載を案す。更に鼻繩を上に引けば即ち起つ。貨物を裝置するには鼻繩
を下に引けば跪臥して人の裝載の神経皆だ鈍なるに因り繊維効なし。唯鼻端の神
経は其の皮極めて厚く全身の如く猴は能く此の呼吸を解するが故に先づ其
駱駝は其の下観するとき鼻端を嚼む。開く猴は鈍なるに因り繊維効なし。唯鼻端の神
の脚に觸れ駱駝の下視するとき鼻端を嚼む。

駱駝の毛は毎年六月頃自然に剥落するものなるに因り四月末に剃毛す。毎頭
約四五斤を得一斤の價額銀一錢銭内外十五之を用ひて氈毡衣褸の類を製す。最も

一〇九

第七章 畜業