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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0043 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 43 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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河川は多く其の源を天山及葱嶺に発し千山萬壑の間蜿蜒折流を異にし名を
異にするもの數ふるに遑あらず終には合して二個の大河と爲る。即ち、一
は天山南路に在る塔里木河他は天山北路にある伊犂河とす。斯の如く諸河概ね
此の二河に合するが故に塔里木河域は淵山大なり。實に西河よりも東よりも北
る區々の細流は忽或は綿々と爲り廣兩河の併存する所となりて遙々變百里を縫ひ
野を繞り或は忽或は疎々と爲り廣兩河の併存する所となりて飮料に供す。其利元より大
なりと雖も唯惜むらくは斯から浩蕩たる大河なるに拘らず舟楫運輸の便のみ、
未だ新疆人を利せしめざるを。

一 塔里木河系

塔里木河は天山南路に於ける第一の大河なるのみならず新疆省中共右に出つ
る者無く凡葱嶺の東崑崙の北及天山の南麓より發源する諸川悉く此の河に注入
せざるはあらず。就中其の大なるものを阿克蘇喀什噶爾葉爾羌和闐都渭干烏

第一章 地勢