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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0049 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 49 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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日間下流は四箇月間結氷するを例とせり。

水勢は急疾材木を流下し得る外復た運輸に便ならす。唯察遠城固爾札より惠
遠城に至るまでは稍綏漫なるも淺沙沿岸は容易ならず危険を支へ航行自由なら
ざるが唯一の憾なり。一年内僅に二個月餘下流は容易なれど急流なるが故に潮航す
べからす。子の伊犂に到着せしは明治四十年五月中旬にして恰も最良航行
の時期たりしも滔々たる江上更に扁舟の上下するを目撃せす。顧望多時李白
が「唯見長江天際流」の嘆を発せり。

要するに伊犂河は露領に入りて後水逐の利次第に大と爲るも新疆省内に在り
ては其利全く餓如せり。然れども其處部落相望み田園樹木繁茂牧草豐饒質に伊犂
に莫大なるものにして到る處に實
をして新疆第一の沃土たらしめたり。

伊犂河の丞般を詳にせんと欲せば其の三源流を知らざるべからす。以下少し
く說く所あらん。

醫克斯河は伊犂河上流の名にして其の源を那喇特山に發し昌曼特克斯の二河

第一章 地勢                            一五