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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0053 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 53 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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年に於ける海水の一部遺留せるものなりと暫く記して疑を存す。

天山北路にては小大の湖澤數多ありと雖も未た其の狀況を詳にする
布南路は其の地の廣大なるに較ぶれば湖澤甚だ多からす。其中最も大なるを羅
大なるも未た探檢者あつて之を世に示したる者あるを見す。因て此には其の梗
概を記すに止まる。

一 天山南路の湖沼

巴格咧の南方に在りて其の廣袤を群かにせざるも東西に狹長二十餘里其幅約五里蒙古人は之を騰吉斯と稱す。喀咧沙爾の南
に因り天山南麓より發源する諸川合流して開都河と云ふ。淡水湖なる故に魚類及禽水多し。秋色深き時盧花雪を欺き湖畔は一帶湖
の沼澤を以て水量に富み而も見湖水を包擁せるものゝ如し。
き水禽相呼ぶの狀又獨一見湖水なきに非らすと雖も雄大なる湖景は光雪を耻
人をして荒涼の感に堪へさらしむるもの有らん。蓋し同湖は更に其の西南口よ

第一章 地勢

一九