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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0061 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 61 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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細沙の地

磯石の地

沙漠とは如何。之れを普通に字義上より直解せば唯漠々たる沙原ならと一言し去らん。然り沙礫の廣大なるものは沙漠なりと難も子の實見したる新疆の沙漠即ち戈壁は決して斯る單純なるものに非ざるなり。
 浩浩平沙無限と調せる戈壁人が形を現じて連亘する有り。其他眼にて映ずるものは大草育せす處々丘阜を成し沙崗に併立つ。道邊の風電柱の箕然として荒寞を極む。之れを過ぐるときは車輪を朝に沙を出でて夕に入り四邊の風物頗る難澁す。退して行進皆だ難澁す。若し夫れ嚴冬凛冽にして六花紛紛たらんか。我が車の軌千里の銀海に化し、一輪の氷月中天に懸り四宇宙の大觀を獨占し羽化登仙の想あら聲と胡馬の北風に一嘯くを聞くの時俱み。眞に宇宙の大觀を獨占し羽化登仙の想あらしめ此の大觀車中に盤居して寒威を防ぐの用意に忙し。嵒寒骨に砌して曇へす戰慄を禁ぜざら磯石猥蕪も河礫の如く嵒々又累々たる地あり。

 磯石の種類は硅石礫或は礫石嶋岩片磨岩蘇泥片岩等の碎片とす。此部に到れば馬蹄鴉めに滑退し車

瑠石英花崗岩片磨岩蘇泥片岩等の碎片とす。此部に到れば馬蹄鴉めに滑退し車

第一章 地勢

二七