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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0062 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 62 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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OCR読み取り結果

輪爲めに轉覆す。若し夫れ三伏の大暑赫々たる赤日一たび此の磧原を照さんか
大小の石礫は赤めに灼らさんと欲し溶けんと欲し燬の如く長風は爲めに熱して火の水
も亦清凉を取るに由なし。大紅巡の焦熱地獄も赤之れに臨ふるに足らす行囊の
眉爲めに肚して卒倒し牛馬の喘急にして驚死するに至る。

惡溫の地

或は士地卑溫にして蘆葦叢生し稠密茂遠く相連る處に廣莊なく恰も大密
林の惡觀を成し之を跋渉し能はざるのみならす些も透視を許さゝる横なき道路は
き惡地は猛獸を防ぎ後に命猥の爪を磨き萬一猛獸の蟄來に遭遇せしむ有りんか前に斯は
恰も大墜道を能く猛疾隘を進むにしめ蛇蝎を繁殖せしひ之れを横過するに
負ふて長墜嗚する猛虎退谷まりて非命に驚る者多し故に此の地帶を通過するに
淙不測の地なれば進退單縱陣を成し壹聲は大聲呼應夜は炬火を點して過ぐるを常と
は多人數隊伍を結び或は全く鹹土のみの地あり。鹹土は其質鬆脆にして鹽
す。

鹹土帶

或は鹹土の細沙と泥じ或は全く鹹土のみの地あり。鹹土は其質鬆脆にして鹽