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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0066 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 66 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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OCR読み取り結果

三三

十三間房
附近の景

老風口附
近の景

和闐の北


家屋飛び人音忽ち幾丈の沙下に埋没せられて空しく不記の鬼と窮るもの古來幾
千萬なるを知らす。是れ哈密より開展に通する捷路に當る十三間房附近の光景
にして、風に暴風多きを以て著せらる。

支那人は元來形容の誇大なるも誰か知らん當に沙の稀の如き亦或は白髮三
千丈の類ならも時に何人も思置すべきとは。流沙の流るゝに止まらず鉅
大なる阜丘の東北方なる沙漠中には夏季屢々西北よりの暴風の襲來すること有り高さ六
和闐の東北方なる其位置を變せんと忽ち消失して跡なく若干の波の平沙上に
十乃至百を現出し暗く屋内燈火を要すと云ふ。流沙の稀決して慮ならざるを覺
兀然高丘を成して風伯の猛威を遏せて若干の距離の波を留む。此時
に當り白日窈めに達する大小波状を成し忽ち消失して跡なく若干の波の平沙上に
ゆ。

其の他塔爾巴哈臺の東方なる老風口附近の強風も亦有名なるものにて冬期を
最も甚しとし風位は概ね東北とす。故に其の附近には千若くは千五百米突毎に
避難房の設備あるを見る。如何に其の風威の酷烈なるかは芝れを以て推知すべ