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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0072 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 72 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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OCR読み取り結果

● 地誌之部

  畫間

一畫間の行進は夏季は勿論冬季と雖
も人馬共に渇を訴ふること多く従
て貴重なる飲料水を濫費す。

二沙漠中最も恐るべき風は大抵午前
十一時頃より起り午後三時頃に終
るが故に此の時刻を避けざるべか
らず。

三夏季は蚊蠅の害あり
四畫間は冬季と雖も難路を行進する
 爲め発汗多く表裏殊に靴等を温
 しめ凍傷に罹り易し。

五夏は炎熱灼くが如く畫間往くべか
らず冬は短日にして行程従て短し

  夜間

一夜間の行進は夏と雖も人馬共に渇
することゆること少く従て飲料水を要
すること多からず且つ牲口の疲勞
少きの利あり。

二夜間は殆んど無風と云ふも不可な
く、暴風の如き始んど夜間に起りし
例なきに困り安心して行進し得へ
し。

三夜間は夏季と雖も蚊蠅の害なし
四夜間は茸に反し発汗殆んど無きが
 故に靴等を沾温することなく随つ
 て凍傷に罹るの憂少なし。

五薄暮出發して翌朝着するが如くす

三六