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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0073 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 73 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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殊に風害を避くる爲め日中休憩し
行程爲めに進捗せす、擇定せる沙島
に泊りて夜行するを例とせり。

永きに因り長距離を行進し得る時間
は夏冬を論ぜす時間の利益あり。蓋し沙漠中に於ては、豫
定せる地に達せざる時は非常の長距
離を行進するの必要あれば燕睡に便
ならす馬夫は晝休息して常に牲口を飼養す
るが故に牲口をして沙漠帯の旅行
たしむるを得。

六晝の旅行は夜間能く熟睡する爲め
又は宿泊所に到達せざる虞あり。
馬夫の牲口を夜間能く熟睡する爲め
易し此驛逓日に及べば遂に流れ
して疲勞せしむ。

是等の利益は沙漠中に於ける他の不便を忍びて餘り有るが故に沙漠帯の旅行
は通常夜行に由るを例とせり。
要するに沙漠通過の最良時期は秋冬の二季とす彼の夏日の如きは炎天赴日一
滴の雨露なく滿地の沙礫爲めに燒けて金石亦熔けんとし加ふるに暴風の厄多き

第一章 地勢            三七