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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0085 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 85 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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同うするも、氣候は寒暑共に酷烈を極め溫和の候は甚だ少なし既に其の位置を同
じうして其の氣候を異にすること斯の如き所以のものは畢竟土地の高度地質の沙
土風向の西北なる原因にはあらざるなり。
 太陽の光線を下層より至るに随ひ其反應節に減少す。高山の頂上は太陽
の近くに温むるに因り上なる所のもの反射面少なければ、新
隣は願ひ高原等に属し高度なりと海抜も空恰も我
浅間山の半腹又概ね沙漠なるが故に光線最も強き鴎め夏は暑氣極めて
燥甚だしく土地又西北の風西伯利の寒帶より来り天山の雪光線を吹き下し寒氣殊に激甚に至
酷烈なるは決して偶然ならざるなり。
 此の如くして空氣乾燥するが故に晴天自ら続き降雨赤少なし。殊に沙漠多き南路
の地に在りては一歳中點滴の聲聞く僅に三四回多きも五六回に過ぎず。數月
の間滿天一碧一片の雲影だも見ず遂には終年曾て雨なきに至ること稀ならずと

第二章 風土                        四九