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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0135 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 135 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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第三節 飲 食

飲食は人類生活上最必要のものなるが故に敢て数を俟たざるも之が材料と方法とを知得せり。然れども周囲の天然物及人種宗教等の差違は其の原料と飲食の習慣を異ならしむ。

饅頭問の日常の食物は鳥獣肉及穀物なるも只豚肉は宗教上の規定に依り不潔動物として用ひざるのみならず蛇蝎の如し。常に受用するはグルチャージと稱するジョルバと稱する汁なり。而も之は普通人民の食物なるが貧者に至ては一日数塊の麺包と水とを飲食するのみ。グルチャージとは玄米及羊肉素油蕪干葡萄等を混合し粥様のものにて「ジョルバ」の中汁とは羊肉と野菜と塩水を加へて煮たるバタ様の濃液とす。盖し「グルチャージ」の中に入る素油は牛乳を以て煮し蒸したるものなり。

飲料としては牛乳及茶を愛喫するもの少なし。只一般人の嗜好するは菓物なり。就中甜瓜西瓜葡萄梨林檎等を以て最とす。

第四章 風 俗