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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0138 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 138 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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一〇二

經頭回の富者の家屋は煉死又は土坯にて造られ屋上は材木を横たへ上に蘆葦
を布き泥を以て之を塗り僅かの傾斜あるのみにて始んど平蓋なり。是れ降
雨雪少なきて圍壁と共に泥壁を塗れば土色と更に外面より見れば二三の小
さき方窓ありて圍壁或は弧丸形の棚を擇ぶ無く外見に揚らざる壁間に
も室内白壁の厚壁に施し軸物を掲げ。天井は小なる圓材ち内に種々の物品を陳列し五彩の花模
は書畫の扁額及軸物を低き床板の上には華麗の綾罷を敷き詰め椅子卓子を配
樣其他種々の彫刻物を巧妙に組合せ五彩の花模
列し窓には玻璃を用ゆる甚だ三尺の精巧の美麗なる圓材ち内に種々の物品を陳列し五彩の花模
通常人民の家屋は大凡厚さ二三尺の土墻を続らし上に白楊又は梧桐等の粗材
として横架を敷き之に草泥を塗りて建築し屋内
は梁と地上に直接粗製の木床及卓子を布え二三の土器者くは木器を
陳列上に外面と同じく草泥を塗り棚を穿ち何等の家屋の周圍に
施さず、此の種族の家屋内外は他種族に比して稍清潔なり。大抵家屋の周圍に
は庭園の設け有りて楊柳果樹等を植う。