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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0143 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 143 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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殊に喀什噶爾地方に在る人民は常に外人に接し開化の空氣に觸るゝが故に殆んど許僞狡黠其の性を成し虛詐禮節なく利の在る所是れ趨り名譽節義の何者たるを知らざる者少しとせず。

犯罪

縉頭向に於ける犯罪は概して婦人事件にて、盜を爲す者至て稀なり。只北路殊に伊犂地方には家畜を盜む者多く露清人等異人種の多く雜居すると四圍山なるに依り賊の家畜を逃遁に便利なる故ならん。回民一般に之を脅敬することを活佛の如く、冠婚葬祭は勿論人事の大小悉く阿渾の言に聽き以て可否を決するの風あり。又同敎徒中一たび亞刺比亞土耳其を道歴し敎に

阿渾

縉頭向に於て哥蘭經回々を多く識みたるものを稱して阿渾と曰ひ。

マホメットの墳墓に參拜し且つ其の荷跡を吊ひて歸りしを哈吉と稱へて、敎祖の墳墓跡を尊敬極めて厚し。夫れ斯の如く尊敬を拂ふ所以は凡そ同敎徒にして敎堂に入って敎に拜するに始め罪なき者彼等の除ざれは必ず罰を受けて生還を得ずと確信するに因りてなり。是れ參拜往復の費財ある者は必らず此の遍歴參拜に赴くを以て無上の幸福と信ず。

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