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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0176 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 176 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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地誌之部

哈薩克蒙古族經頭囘を通じ凡て女子に課するの勞務甚だ過重なり。一三五
般は勿論至りては至難の手工勞働を以て女子當然の職務と爲して怠まず。殊に
哈克に至りては氈幕の結合分解すら悉く婦人の職任と爲せり。婦人亦能く其
の作業に熟練し僅々十四五分間にて一氈幕の結搆を終了す。其の作業の敏活驚
嘆に堪へざるなり。

要するに新疆の女子は男子の玩弄物たり、忠僕たり。男子は徒に逼し女子は甚
しく勞す。是れ極端なる男尊女卑の結果として必然の現象なるか。随て支那本部の女子の如く室内閉居主義を執らず、新疆の女子は勞務を辭せず。顔面を他人に暴露せざるを主義とするに至ては頭部を蔽ひ顔龐を垂るゝを常とし、顔面を他人に暴露せざること無し。故に良家の女子外出するときは頭部を蔽ひ顔龐を垂
婦女と異なること無し。故に良家の女子外出するときは頭部を蔽ひ顔龐を垂るゝを常とし、

縉頭囘民の男女相會して唱歌舞踏するが如き女子の彼巾を用ひ顔龐を垂るゝ
が如き其の穿てる靴の樣子如き、殆んど歐米の婦人社會と擇ふ所なく、歐米流
行の本源は蓋し中央亞細亞未開婦人に非ざるか又東西の服裝及行爲偶然符合し