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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0211 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 211 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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るなり。豈危からすや。民を愚にするを以て、窃政の極意と窃す如きは鎖國時代
の政策にして、東西交通の今日決して施し得べきものに非らす。

第五節 喇嘛回々両教徒の将来

喇嘛教及回々教の由来と現況とは前匹に連べし所に依り、略明かなりしなら
ん。而して今や此の両教徒の将来に就て一言すべきの有り。
抑も喇嘛教徒は両宗教を信ずると云はんより寧ろ之に心酔せりと云ふを適評
せん。其の宿弊の潜む所根柢甚だ深くして社會人心を司配すべき宗教たる価値な
て、根本的刷新を行ふに非ざれば到底社會人心を司配すべき宗教たる価値なき
は勿論該教徒たる人民は盆世の文明と背馳し懵蒙の界に沈淪するのみ属さず、
國民的精力は次第に減少して終に彼れ滅亡の悲境に陥ること無き を保せざるなり。
回顧すれば現在喇嘛教徒たる勇壮なる民族も今千古の英傑成吉思汗に倣し、
鐵蹄欧亜両大陸を蹂躙せし勇壮なる民族たりしも今や其面影を見る由汪なく、近
くは同治回亂の際の如き、謂代思願の清國官兵が回匪の毒手に全滅の悲劇を演す

第五章 宗教
一七一