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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0212 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 212 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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一七二

総論之部

るを傍觀し敢て國難に殉せんともせず遠く山中に遁逃して、荷も生を全ふせんと
謀りし如き卑怯未醇の民族と變化せんとするゞ奇怪なる是れ抑も何が爲めに然るか。
子は是を喇嘛教を利用して以て慣悍な
或は人日く清廷は高祖以來外藩制御の秘訣として、喇嘛教を利用して以て慣悍な
る蒙古人を馴化せしむる政策を親之々々に至れり。蒙古族の現狀は即ち政策
の當れるなり。然れども清廷の意図ふべし云々と。然り子も赤其の常に病を療せざるに
は非なり。其の本體を害し逐に命を關する大事と爲ることも無しとせず。否現時と難宗敎の利用
るのみす。清廷の政策は當時に於て確に適當たりとするも之を疑はす。
せざるべからず。其の總るからす。一要件たりとするも容易に外誘に應ぜざる氣風あり
てこそ支那帝國の藩塀と爲鋤御するに至りては當に國家の用を得べけれ。喇嘛す虎視眈々たる清廷に隣國の籠絡する
に至りて其の用を得べけれ。喇嘛す虎視眈々たる清廷に隣國の籠絡するを知らざ
所と爲り其の利用する所と爲り却て國家の大害を醸すに至るは視易き道理なり