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0240 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / Page 240 (Color Image)

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doi: 10.20676/00000279
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一〇〇

南の谷地産にして搬出の便あるに因る。同地一帯の森林は松多く支那人は新疆
平一と稱す。同地に於ける梧桐楡樹林は多く南路の路傍に在りて延長我約二里より五里
に及ぶ。尚は瑪喇什部落路傍の並木として幅三四里長さ十數里の間悉く梧桐林を爲すも
の有り。

   楊柳
   楓樹
   紅柳

楊柳は到る處の河畔路傍の並木として植う。此の樹は最も能く土地に適
し生長最も迅速にして高さ八十尺内外に達する巨大なるもの多し。又天山脈には楓樹最も能く生長す。米人某嘗て塔爾奇山路に於て楓樹の繁
茂するを見て回語ユルグンと稱し少我國の柳の如く概ね其の高さ七八尺にしてこれあり。葉は絲
に似て亞柳下し煩る柔にして節多く質甚だ堅く鹽分を含む故に好んで之を食す。
幹は容易にして生木能く燒燃し焚けば香氣を發す。土人の言に依れば此の木は發
育甚だ遲緩にして八百年の星霜を經るに非ざれば、一丈に達する能はすと。