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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0276 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 276 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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地誌之部

〔三三〕

り。若し天津商なかりせば新疆の商權は全部露商の専有に歸せん。露商を類別すれば陝露本國人は至つて少なく全部露國のムスルマン族即ち纏回民と同一人種としてカザン州の住人にしてノカイと稱する一族南路にはタシケンド安集延地方の者多し。

新疆の天産物農産物は人民生活上の必要品として一も備はらざるは無し。故に他の供給を待たず自由に自活し得べきも工業の發達極めて幼稚なるを爲め日用品の大部分は之を輸入に待ちつゝ在るなり。其の供給者は露國大牛を占め其の小牛は清國内地よりするものにして印度よりの輸入は僅に其の一部分に過ぎず。

五 貿易發展策

幾度か繰言せし如く新疆は山間僻遠の土地なりと雖も其の生産力豊富なれば一方に農工業の發達を圖ると同時に大に通商貿易を擴張せざるべからす。一方に於て農工業の發達を圖ると同時に大に通商貿易を擴張せざるべからす。物貨の生産額を多大にして輸出貿易を奬勵せしめざるべからす。新疆省の商業今日に至るも微々として振はざる原因數條あり。其第一は從来