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『東洋文庫所蔵』貴重書デジタルアーカイブ

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0354 伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2
伊犂紀行 : vol.2 / 354 ページ(カラー画像)

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doi: 10.20676/00000279
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三一〇

就中吾人の最も親聰を驚かせしはタシケンド地方よりトムスク市に達する鐵
道亞爾泰線布設の計畫愈實行せられんとするの一事なりとす。該鐵道の敷設が
伊犂に如何の關係を及ぼすべきやは吾人の暇なる説明にて之を盡す露國の有名なる政
事家ミハイルセリホフ氏が該鐵道に於ける殖産興業の所以を啓發し民衆の移し一歩を進め
道の敷設を以て露領中央亞細亞に於ける殖産興業の所以を啓發し民衆の移
のみならず又軍事上極めて重要なりとする所決して日く之
るのに付すべからざるを警告せんと欲す。露骨に表白するものとは謂はざるべ
吾人は東方に於ける我が邊境を護れば該鐵道は軍事上決して日く之
の國境を輕忽して漸次大南方に擴張するに極めの稲狀の如き山岳若くは河流を以てする
から須要なるは河流を踰えて橋梁の設定せられたるも
の所謂机上の理論兩國の境界を視るずして確なく平たる境界線の山嶽を見越れば山嶽若くは設定せられたるも
移し此の地方一帶の民族が一定の住所を定めて他に轉稼する所謂水草を逐うて轉
移耕し土地已に盡くれば河流を渉りて他に轉稼する所謂水草を逐うて轉
移しつゝ在るの現狀に徴するも他日必ず露清の境界に關して一場の紛擾を